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教育機会確保法

不登校など様々な理由で十分な義務教育を受けられなかった子どもたちのために教育機会を確保するための法律で2017年に施行されました。それにともない同年、文科省も基本方針を策定し通知も出しております。

そもそも憲法第26条ですべての国民がその能力に応じて、等しく教育を受けられる権利が定められていますよね。その権利を保障するために、教育基本法をはじめとした義務教育に関するさまざまな法律が整備されているはずですので必然だと思います。

それでは、この教育機会確保法(正式名称:義務教育の段階における普通教育に相当する機会の確保等に関する法律)の基本理念を紹介しますね。

①すべての子どもたちが安心して教育を受けられる学校環境の確保

②不登校の子どもそれぞれの状況に応じた支援

③不登校の子どもが安心して十分に教育を受けられる学校環境の整備

④年齢・国籍を問わず能力に応じた教育の確保

⑤国・地方公共団体・民間団体などの密接な連携

そして、重要視されているポイントとして「子どもの最善の利益」を最優先に支援することを改めて確認するとともに、支援の際に登校という結果のみを目標にするのではなく、子ども自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを重視しています。

これらが法律上のお話です。先生方、まずくないですか?

私の経験上のお話で恐縮ですが、2022年に実施した教職員研修で以上の法律について問うたところ、法律自体ご存じの先生は3割にも達していませんでした。施行から5年後ですよ(泣)。そして学校現場では旧態依然とした生徒指導が蔓延っている状況。(もちろん自己研鑽され、職員室内で旧態と闘い、奮闘されている先生方も多くいらっしゃいます!…比較的、若い先生が多いのはなぜでしょう?)学校は組織です。皆さんが思ってらっしゃる以上に管理職の色によって良くも悪くもなり得るのです。法律を読み込み理解し、そんな実践家の教員を育成しようとっしている学校長はいかほどいらっしゃるんでしょう。

決して学校批判や管理職批判がしたいわけではありません。その上には教育委員会…地方自治体…。監視管理はなんのため?首長の評(票)価集め。自治体間のけん制し合い。

子どもを政治に巻き込まないでいただきたいものです。

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登校渋り

夏休み明け前や直後、いわゆる登校渋りを表出するお子さんが多くいます。月曜日が「ブルーマンデイ」と呼ばれるのと同様、「ブルーセプテンバー」です。表出するのではなく、表出せざるを得ないと考えましょう。表出すると捉えると、その子どもに問題があるように流れていきますもんね。

原因探し(犯人探し)をしましょうか。対応策を考えていきましょうか。…結論、どちらも大事ですね。ただひとこと言えるのは、「子どもが悪いのではない」ということです。突然、人間関係にストレスを感じ始めたのでしょうか。突然、怠惰になったのでしょうか。突然、勉強に不安を感じ始めたのでしょうか。…現象には必ず起因がありますが、突然ということはありません。親子関係、家庭環境の変化等々も同じです。以前も似たようなお話をしたかもしれませんが、繊細な子どもほど心の動きが波風の影響を受けやすく、スピード感も早いものです。お願いですから、現象に対して力技は避けてあげてください。(特に、登校渋りが始まった時期に大人は力技で支援しようしがちです)

では対応策は?…まずは休養させてあげましょう。そして本人が話のできるタイミングで100%傾聴しましょう。「でもね…」「だったらね…」はNGです。それでは誰かさんと同じですよね。味方がいなくなってしまいます。

「おぎゃ~!」とこの世に誕生してきてくれたあの日あの瞬間を思い出してください。

あの時、理屈なんか抜きでしたよね。

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タガタメ

子どもらを被害者に 加害者にもせずに この街で暮らすため まず何をすべきだろう?

でももしも被害者に もし加害者になったとき 出来ることと言えば 涙を流し 瞼を腫らし 祈りほかにないのか?

(提供先:Musixmatch ソングライター:桜井和寿)

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福祉との関係一例

中学校1年生から不登校状態。もちろん小学校から登校渋りはあったそうですが、いわゆる″小中間段差”による表出せざるを得なかったお子さんのお話。子のお子さんは一気に引きこもり状態となってしまい、ゲームに没入することで気を紛らわすことしか出来ず長期化してしまったそうです。食事もままならない、部屋からも出てこない、入浴も週に一度程度…その状態のまま、中学校3年生になっていました。もちろん学校も何も知ってこなかったわけではないと思いますが、結果として、引きこもり状態のまま現在を過ごしています。

私の行っているモニタリングで気になったので、中学校へ問い合わせたところ、家庭訪問は行っているが、最後に本人に会ったのが一年前。それ以降、本人に会うことができず母親と話をして帰校することが続いているとのことでした。心理状態を鑑みると慎重に対応せねばならないケースではありましたが、学校からのSOSもありましたので、母親と繋いでもらえることになりました。お母さんとの教育相談を重ねること数回、ある日、本人がこちらを見るだけならばということで来所してくれました。(課金をしてあげるという約束で連れてきたそうです)

瘦せており肩下までの長髪、口髭が伸びたまま真っ黒。目は合わない。狂気すら感じる雰囲気にうちの職員も通りすがりにかをを反らすほどでした。本人の心理状態をはかりながら、立ち話がいいのか着席した方がいいのか。いずれにせよ短時間にしようと思いました。初めは発語もなく目も合わない状態。お母さんは懸命に私とのコミュニケートを取らせようと必死。時間にして30分程度経ちましたか、これ以上はと思い、解放してあげようと話を持っていきましたところ、最後に「もういいですか?ありがとうございました。」と言葉を残して帰っていきました。

私の結論は「教育の領域を超えている」でした。「教育は万能なり」という信仰はとうに終結していると改めて感じさせられた面談でした。ではどうしたらいいのでしょう。福祉との連携なしではその子やそのご家庭は社会から取り残されていきます。学校は3年間どこにも繋がず抱え込んでしまっていたことに反省すべきです。虐待ではないから通告できない。だから?…地域のお力をお借りすることもあるはずです。民生委員さん、民生児童委員さん、他にも福祉領域には尽力いただけるリソースがあるはずです。学校がお約束事のように行っている「週一回家庭訪問」。本当にそれでいいのでしょうか。

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学校との関係一例

小学校2年生時、担任の先生の学級王国作りからはみ出された子のお話。発達特性があり、厳しい先生の指導と折り合いがつかず泣きわめく毎日…離席する…追いかけまわる。雨の中運動場に逃げ回る…追いかけまわる。給食が食べることが怖い…学校は個別支援と称して、階段下の廊下で給食を食べさせる。そんな毎日を過ごす中、家で母親に「学校が怖い。」とやっと洩らすことができた。

母親はしばしの間、学校との関係を良好にするために理解を得ようと努められましたが、学校からは常に最後は「でもね…」「だからね…」と諭される日々。連絡帳に特性を理解した上での対応を書いたことも一度や二度ではなかったとのことです。結局、学校は諦められました。

そして私との出会い。子どもは子どもらしく無条件でかわいい。確かに特性は見受けられましたが、すぐに仲良くなることができ、小さなコミュニティに入ることから不安や緊張、人と関わることの良さを感じてもらうことにしました。うちに通い始めて日に日に自分らしさを出せるようになりました。小さなお兄さんやちょっと大きなお姉さんたちと横の関係や斜めの関係の中で、「ありがとう」と言えるようにもなり、逆に「ありがとう」と言ってもらえる体験もすることができました。安心。

さて大変なのはお母さん。そりゃそうですよね。学校と離れたところで自分らしさを取り戻した我が子を見る喜びと同時に、学校に対する怒りや恨みつらみが増大してくるジレンマ。苦しいですよね。私に出来ることは先ずは以って寄り添うこと。傾聴はもちろんします。共感もします。代弁もします。方向づけもします…しかし、頭では感情移入はしません。アセスメントとプランニングを脳みそフル回転でします。面談の日の目的は安心して笑って帰ってもらうことです。

さてさてそこからが本当の私のお仕事。対局している二者。対立構造になってしまっている構図をどのように溶解していくのかがお仕事です。伝達役ではなく通訳役です。管理職の児童理解の不足。発達特性や心理、保護者理解の不足に同じ教師として泣ける思いでした。私の力量の無さです。結局、2年生の間は学校に行くことはありませんでした。もちろん学校復帰がすべてとは全く思っていません。(ここは後日、機会があれば詳しく)しかし、私の思いは2年生という学齢での学力保障です。

裏技です。3年生になる前に次の担任の先生を暗に指名させていただきました。(もちろん校内人事は校長の権限ですから)…新しい先生に確信していました。詳細は長くなるので割愛しますが、3年生から学校復帰。本人も保護者も色々なことがりながらも充実した毎日を欠席なしで過ごされました。

4年生を経て、現在5年生。

「学校が怖い」「先生が怖い」…という日々。…学校の役割って何なんでしょうか。教師の専門性とは何なんでしょうか。先生の育ちから持ち備えた〝ものさし”で子どもたちは計られていいのでしょうか。

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本日の相談

長期の不登校状態。もう6年目になります。小学校の時のいじめがきっかけで不登校になりました。本人にとっては「学校に行きたくても、学校に行けない。」…つらい心境です。いじめの構造については、いつかお話したいと思いますが、本日は、この親子のお話です。

6年間。長いですよね。誰もがイメージするであろうこの6年間は、本人をはじめ保護者の方にとっては、我々のイメージする何倍も何倍も長い6年間です。毎日毎日、「明日は…明後日こそは…」と苦悩し続けての6年間なのです。学校に登校していることが何気なく当たり前になっているご家庭には、想像だにできない期待と絶望の繰り返しの時間です。そして、不登校の子にとっては、辛いことがありながらも何気に当たり前に学校で過ごしている子どもよりも、孤独に学校のことを考えている量と時間が多いのです。時間単位ではなく何分単位です。誰よりも学校行事の予定について詳しいです。「なぜ自分は外に出れないのか?自分に勇気がないからなのか?…」どんどん自分を責めてしまいます。そして、「なぜ行けないのか?」は、「なぜあの時に行かなかったのか?」と、過去の自分をさらに苦しめてしまいます。自分の理想像と現在の自分に乖離が生じ、どんどん現在から目を背けたくなってしまいます。

一方、保護者の方はどうでしょう。学校に復帰してほしい。その願いは当然です。初めは誰かのせいにしてしまいます。闘うエネルギーは長続きしません。そこから解決しないことへの焦りを感じ、次はご自身を責めてしまいます。絶対に悪くないにもかかわらず…。ここからが親子間の齟齬が生じ始めてきます。保護者の方にはもちろん悪気など微塵もありませんが、微妙に表出する焦りや不安、期待、絶望、そもそも注目が子ども本人にとっては痛々しいほど伝わるのです。決して保護者の方を批判しているわけではありません。家庭というコアな空間では距離と時間が近いので当然のことなのです。それほど、過敏な子ほど繊細で傷つきやすいということです。理想と現実のズレ、先述した本人の心理的な時間軸とのズレ等が、残念ながら親子間のバトルを生じさせてしまいます。

さて、私の役割は?微力ながら長年寄り添わせていただかせている私は今日、どんなお話をお聞きし、どんなお話をさせていただいたでしょう。また機会があればお伝えいたします。

貢献のプライドに渾身あるのみ

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不登校について思うこと②

不登校は社会問題と国は言っています。

当事者からするとそんなの関係ないです。本人や我が子が゛なぜ学校に行かないのか”゛なぜ学校へ行けなくなったのか”゛どうしたら行けるようになるのか”等の思いで焦るばかりです。100人いれば100通りの悩みがあります。また、そこには100通りの背景や見立て、今後、自分らしく生きていくための納得解があります。初期は誰でも焦りから混乱します。必死です。わかりますか先生。病気ではないのです。家庭の中で起きている親だからこそ理解してあげることができる変化があるのです。

国や自治体、それに付和雷同する教育委員会、そして迎合する学校。国のデータはある意味「既定路線」なのです。ここ数年の傾向から減らすわけにもいかない…大幅に増やすと世間が大騒ぎする。そこで出来上がるのが「微増調和」です。それを繰り返してきた結果が約30万人というわけです。

私も過去所属していた、下々の教育委員会が何をしているのか一例を挙げましょう。学校が「不登校」としてカウントしてきた児童生徒の在籍校の管理職に電話を入れて、「本当に不登校ですか?病気ではありませんか?(起立性調節障害)等」とヒアリングをして、目に見えない圧力をかけるのです。そんな馬鹿げた業務、誰もしたくないですよ。しかし、上からの圧力があるのです。今では責任を痛感していますが、教育委員会事務局では教育長が皇族の如く君臨しています。そのバックには首長です。首長としては「自治体間の様々なデータ競争」を行っているのです。もちろん次回の選挙のためです。

そんなことに巻き込まれていることもつゆ知らず、「子ども真ん中」で必死に対応している保護者の方々や一部の良識ある先生方、そして我々のような支援者って何なんでしょうね…次回に続く

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不登校について思うこと①

これについては、ここで簡単に伝えることができない課題で。

課題=問題では絶対にありません!これだけは先ず伝えたいです。

2023年度、文科省は「不登校児童生徒数約30万人」。いよいよ30万人を超える増加に対して社会問題として取り上げられています。

そこで一言いいたいこと。あなたのお子さんは本当に不登校として適切な支援(配慮)を受けられていますか?

ご自身のお子さんを不登校と思っていらっしゃる保護者の方のお子さんは、意外と学校では統計上、不登校としてカウントされていないのです。なぜでしょうか?・・・次回に続きます。

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はじめまして GTOです

不登校等でお悩みの保護者の方、学校の先生方に向けて情報発信してまいります。

保護者の方にとっては、学校との関係で困っておられる方がたくさんおられます。学校の先生の方からすると、またその逆です。毎日、教育相談やカウンセリングをさせていただいている私からすると、そこに゛子どもの最善の利益”が損なわれているケースも多々あります。通訳役や架け橋役として日々、行き来している自分がお役に立てることがあれば幸いです。